吃音を軽くするために

最終更新日 2025年7月16日(【キーワード】の箇所に今年6月削除した「ピークアウト」を戻しました)

言葉を話すときに自分が話す言葉(音)に過度に注意が向かう傾向と意識して発話を行おうとする傾向(発話を意識する傾向)を改善する、自宅でひとりでできる吃音の改善訓練に「スピーチ・シャドーイング」があります。

スピーチ・シャドーイングの自宅訓練により改善が見られた成人吃音の1例

 阿栄娜, 酒井 奈緒美, 安 啓一, 森 浩一

短期シャドーイング訓練の吃音に対する効果

 阿栄娜, 酒井 奈緒美, 森 浩一

上の文献は、それぞれのページ内にある「PDFをダウンロード」ボタンから全文のダウンロードができます。詳しくはそれぞれの文献をご覧ください。

短期シャドーイング訓練の吃音に対する効果」という文献の「はじめに」の箇所に「シャドーイングとは、連続して聴こえてくる音声に対して、それを聴きながら、並行して、できるだけ遅滞なくその音声を口頭で再生(復唱)する行為である」と書かれています。

また、国立障害者リハビリテーションセンター専門情報誌「国リハニュース 第370号(令和4年春号)」にある「成人吃音相談外来について」という文書には、スピーチ・シャドーイングについて「インターネットの発話素材をスマートフォンで速度を下げて再生し、このモデルとなる音声を聞きながら、少し遅れて同じように発話し続ける方法です」と書かれています。

小児保健研究 77巻1号 (2018年)にある、国立障害者リハビリテーションセンターの森浩一先生が執筆されている「小児発達性吃音の病態研究と介入の最近の進歩」という文献には、「シャドーイングは、適切な話速で行うと、吃らないように頑張る余裕がなくなり、結果的にそれをしなくても吃らないという体験ができる。素材としてはニュースなどが使えるが、速度調整ができるものが望ましい」とあります。

吃音者のワーキングメモリ容量とシャドーイング潜時の関係」という文献には「二重課題では課題負荷を調整することで常に自己発話への注意を減らす効果を出すことが可能であると思われる」とあります。すぐ上の文献の引用部分と合わせて考えると、スピーチ・シャドーイングの課題負荷は音声の速度で調整するものと思われます。

スピーチ・シャドーイングの自宅訓練により改善が見られた成人吃音の1例」という文献の表5には、3ヵ月の訓練終了時の対象者の方の以下の感想が記されています。

「21.最初はゆっくり速度(のシャドーイング)が普通速度よりやりにくかったけど、後半になって割としゃべれるようになった」「22.普通速度のほうがやりやすい、頭を使う余裕がないぐらい速いと思った」「23.シャドーイング中は吃音の「き」の字を意識する余裕もないぐらい食いついていく感じでしゃべるので、ブロックが出にくかった」

スピーチ・シャドーイングは、訓練自体に慣れてきたら、音の出し方や自分が口にしている言葉(音)に余計な注意が向かいにくく、なおかつ、流れてくる音声に遅れずについていけ、言葉が詰まることも少ない(口にしようとする音に注意が向かうことも少ない)、ちょっときついが(流れてくる音声に)なんとかついていける速度で訓練するのがいいかもしれません。

訓練に使用する音声によって、訓練中に音の出し方を考えたり、自分が口にしている言葉(音)に十分な注意が向かう余裕がある場合は、音声の速度を少し速くします。あるいは、それよりも少し速い速度の音声材料を選びます。音声が速すぎてついていけない場合は、ついていける速度まで音声を遅くするか、別のちょうどいい速度の音声材料を選びます。

ゆっくりとした速度で訓練される場合は、訓練に慣れてきて、余裕が十分にある場合には、シャドーイングに支障が出ず余裕が許す範囲で、少し下の【吃音の理解と改善に役立つ文献】に出てくる「認知行動療法を用いたグループ訓練」の、「考えながら話す」のところにある音読練習の方法「音読しながら内容を深くとらえ、視覚的なイメージも想像し、自分の意見や考えなども浮かべながら音読する」を参考に、情景なども思い浮かべながら訓練されるといいかもしれません。

訓練にイヤホンを使用する場合で、両耳イヤホンを使う場合は、訓練直後に一時的に発音がおかしくなって自分が口にしている言葉に注意が向かうといけないので、密閉式のものではなく隙間から外部の音や自分の声がよく聞こえるインナーイヤー型のイヤホンがいいと思います。ヘッドホンも密閉式のものは避け訓練中の自分の声もよく聞こえるものがいいと思います。

下は、スピーチ・シャドーイングの音声材料例です。細かな速度の設定はできませんが、どちらもプレーヤー画面上から速度の変更ができます。残り時間のすぐ右側 x1.0とあるところをクリック/タップすると、0.75倍、1.0倍、1.25倍などが選べます。

NHK ラジオニュース

NHKラジオ らじる文庫

スピーチ・シャドーイングに関連/関係する文献


【吃音の理解と改善に役立つ文献】

成人の吃音中核症状の病因的考察と臨床への応用 抄録集 24ページ

 森浩一

日本吃音・流暢性障害学会 第8回大会のページからダウンロードできる抄録集にあります。【結論】部分には「成人の吃音の本質的な機序として、吃らないようにと語頭音に注意を向けて発音しようとすることによって後続音との調音結合が破綻し、吃音症状が起きる、というモデルを提案した。注意を最初の音から外すことで自然な発話を誘導することができ、それが体験的に理解できると、吃音を意識しない、自然で楽な話し方への移行が容易になる」とあります。

機序:ものごとが起こるメカニズム(仕組み)

調音結合:「連続的に音を連ねて話すとき、先行した音を発する運動の一部と後続する音を発する運動の一部が結合し、音響的特徴を変化させること」(建帛社 クリア言語聴覚療法7「吃音・流暢性障害」121ページ)

成人の吃音の複雑さと社会の理解

 森 浩一

耳鼻咽喉科医師が行う低強度認知行動療法

 富里 周太

吃音のある成人に対する集団認知行動療法プログラムの開発

 北條具仁,灰谷知純,酒井奈緒美,角田航平,金樹英,森浩一

・認知行動療法を用いたグループ訓練 抄録集 56ページ

 北條 具仁、森 浩一、酒井 奈緒美、灰谷 知純、角田 航平

・認知行動療法的な電話訓練 抄録集 54ページ

 森 浩一

すぐ上の二つの文献は、日本吃音・流暢性障害学会 第7回大会のページからダウンロードできる抄録集にあります。

「吃音のある成人に対する集団認知行動療法プログラムの開発」と「認知行動療法的な電話訓練」に出てくる「マインドフルネス瞑想」についてのお話と動画


【幼児吃音について】

幼児吃音臨床ガイドライン第1版(2021)と添付資料の公開

焦らず気長に見守って ~子どもの吃音~

【その他】

・小児発達性吃音の病態研究と介入の最近の進歩

 森 浩一

 この文献は、小児保健研究(電子ジャーナル)のサイトにあります。「一般 ログイン」(ログインIDとパスワードは不要)から入り、入ったページの2018年度 77-1 をクリック/タップするとダウンロードのためのリンクがあるページが表示されます。「小児発達性吃音の病態研究と介入の最近の進歩」は上から3番目にあります。

 第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会

シンポジウム2 森 浩一

(親ページは第120回 日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会サイトでの検索結果)

吃音 (どもり) の評価と対応

 森 浩一


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【キーワード】

言葉は(展開する)思考

口から出てくる言葉、出ている言葉の正体は、その瞬間頭の中で展開している思考(言葉になる思考)です。この思考に、発話運動(言葉を話す体の動き)は条件づけられています。発話の状態は、その瞬間の、「(言葉になる)思考」の状態を示しています。

スムーズに話すことができないということは、スムーズに考えることができないということです。思考が思考のタイミングで自然に展開を始めるのを阻む何かが、また、思考の自然な展開を阻む何かが、その瞬間そこに、存在しているということです。


音に対する注意は思考に対する注意

口から出てくる言葉は、そのとき展開している「言葉になる思考」なので、話そうとして、口から出る音(口にしようとする音)に注意が向いているということは、その出るはずの音を通して、自分の思考に注意が向いている、と考えることができます。

口から出るはずの音を通して、自分の思考に注意が向いていると、吃音症があるない以前に、その間、「(声に出して)考える」ことができません。

口から出る音(口にしようとする音)に注意を向けたままでも言葉は問題なく話せるよ、という人は、発話の瞬間に、口から出る音への注目から思考活動に注意が転換しています。口から出る音に対する注意の空白が一瞬できて発話(思考活動)が始まり、そこから先は、(その思考活動が生む)口から出た音を聞いています。

口から出る音に対する注意・注目は、発話に対する干渉であると同時に、その発話を生む思考活動に対する干渉(阻止)でもあります。


発話から注意を外す

話そうとして、注意が向いた音が、詰まったり、引っかかったりしています。

吃音の不安、発話過程、口にしようとする音から、伝えたい内容、そのときの気持ちなど、発話(音を口にする過程)とは直接関係のない思考や五感の対象などに注意をそらすことによって、発話(音)に対する余計な注意を外す。

少し上の【吃音の理解と改善に役立つ文献】のところにある、「吃音のある成人に対する集団認知行動療法プログラムの開発」[方法 2.介入]、「認知行動療法を用いたグループ訓練」、「認知行動療法的な電話訓練」、「耳鼻咽喉科医師が行う低強度認知行動療法」[予期不安への対処としての注意のトレーニング]に、発話から注意をそらす先の例が挙がっています。発話から注意が外れることの効果の確認用としては、「成人の吃音中核症状の病因的考察と臨床への応用」の【方法】の箇所にも例が出ています

発話:言語を音声として発すること。またその結果として発せられた音声のこと。(Wikipediaより)


ピークアウト」(ネガティブな気持ちも、衝動も、それに気づいて、油を注がなければ、自然とピークアウトする)

マインドフルネス基礎編」の動画より。熊野宏昭「マインドフルネス基礎編」[6/6]の前半「■嬉しい気持ちも不安な気持ちもピークアウトする」「■「様子を見る」ことで自由になれる」で、文章で読むこともできます。


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90秒エッセンス(リンク先には考え方のヒントもあります)

口から出る言葉、言葉を話す体の動き(発話運動)は、「言葉になる思考」の展開に条件づけられています。言葉の正体は、この「展開する思考」です。

その思考(声に出して「考える活動」)の邪魔をし、吃音を生んでいるのが、口にしようとする音(=口から出るはずの音=耳から聞こえてくるはずの音)に向かう注意(の癖)です。


言葉になる思考:頭の中で「腹が減った」と展開すれば、その展開と歩調を合わせ瞬間をほぼ同じくして、その展開する「思考」に重なり合うように、「腹が減った」と口から言葉が出てくる思考。そのもの自体には自意識がなく、意識による干渉を嫌う、(1000分の1秒刻みの目盛上のどこかで)そのもの自身のタイミングで自然に始まり自然に展開していく、思考活動が生む思考。

※発話を意識する自分の側には、発話の厳密なタイミングを決める決定権はなく、発話のタイミングは、自然に始まる思考活動が握る。


口にしようとする音(口から出るはずの音)に注意を向けて言葉を話そうとすると、

a.考える主体が、(そのもの自身の思考活動の産物である)思考が意識に浮かび上がる瞬間を観ようと、(新しく生まれる)思考が意識に浮かび上がる瞬間に注目すると、考えることができなくなります。口から出てくる言葉は(展開する)「(言葉になる)思考」なので、自分という考える主体が、「思考」が意識に浮かび上がる瞬間(場面)に注目*1すると、「(声に出して)考える」ことができなくなります。

I.発話運動(言葉を話す体の動き)が「言葉になる思考」の展開に条件づけられているため、話そうとして口にしようとする音(口から出るはずの音)に注意が向かい、発話(音の生成過程)に聴覚(音に対する注意)を巻き込んだ状態で言葉を話そうとすると(=[声に出して]考えようとすると=「言葉になる思考」が展開しようとすると)、「(声に出して)考える」ことができなくなり、発話運動は、言葉を話そうとする態勢(本人の話そうとする意志)を保ったまま、発話方向で一時停止します。*2

II.展開する「言葉になる思考」と(それに対応する)口から出る音の知覚との間には(微かな)タイムラグ(時間のずれ)が存在するため、この状態のまま強引に音(言葉)を口(耳*3)にしようとすると、途切れがない「発話運動の障害」(ひどい難発)が発生します。気力が途切れるなど、何かの弾みで口にしようとしている音から注意が外れるまで続きます。

III.普通に話せるのは、口にしようとしている音から注意が外れて、「(言葉になる)思考活動」が自由になってからです。

話そうとして、あるいは、話していて、言葉が詰まったり、引っかかったりする箇所では、口にしようとしている音(=口から出るはずの音=耳から聞こえてくるはずの音)に注意が向いています。発話の状態は、その瞬間の、「(言葉になる)思考」の状態を示しています。


発話:言語を音声として発すること。またその結果として発せられた音声のこと。(Wikipediaより)

*1 どちらも思考活動の産物である、外に現れるはずの口から出る音(声)の誕生の瞬間に(聴覚を通じて)注目しても(間接的注目)、意識に浮かび上がるはずの音(思考)の誕生の瞬間に注目しても(直接的注目)、「(声に出して)考える」ことができなくなるという意味では、結果は同じです。

*2 たとえば、「こんにちは」と言おうとして、「こんにちは」の「こ」の音の言い始めの口や舌などの構えまでは普通(順調)に進み、今にも口から声が出るという瞬間に、突然、発話動作が自分の意思に反して急停止してしまうような、話す体勢に入って、まさに声が出る寸前で、発話動作に急ブレーキがかかる形です。

口にしようとしている音(口から出るはずの音)に注意が向いているため、話そうとしていても、話す(「(声に出して)考える」)ことができません。そのとき、発話運動は、(音に対する注意の介入により急停止して動けずにいる)「言葉になる思考」の展開待ち(一時停止)の状態です。口にしようとしている音(口から出るはずの音)から注意が外れないと、「言葉になる思考」もその展開に条件づけられている発話運動も再開しません。

なお、発話運動は、「言葉になる思考」の展開に条件づけられているので、「言葉になる思考」が動こうとすれば、動こうとしますが、口にしようとしている音(口から出るはずの音)に注意が向いているため、発話を実現する形では(どちらも)動けません。そのとき、発話方向にかかる力は、(通常であれば吸収される、後続するはずの)発話運動に吸収されず表面化します。

発話運動が条件づけられている「言葉になる思考」が詰まっているので、後続するはずの発話運動は生じません。発話運動が発話方向で一時停止しているため、そこにかかる力は跳ね返されます。

*3 話そうとして口にしようとしている音(口から出るはずの音)に注意が向いているということは、そのとき、言葉を話すための思考活動がふさがれていると同時に、耳から聞こえてくる実際の自分の声で考えざるを得ない状態にも陥っています。この状態のまま話そうとすることは、思考活動を拘束し発話に障害をもたらしている「音に対する注意」の悪循環につながります。その結果、一時的に、口(耳)にする音で考えよう(話そう)、音を口(耳)にすることによって話そう、とする話し方になる方もおられるかもしれません。そのような話し方に陥ると、難発状態はさらに強固に継続します。ちなみに、普段耳にしているのは、口から出た発話済み(生成済み)の音です。

口にしようとする音(口から出るはずの音)に注意を向けたままでも言葉は問題なく話せるよ、という人は、発話の瞬間に、口にしようとする音への注目から思考活動に注意が転換しています。口にしようとする音に対する注意の空白が一瞬できて発話(思考活動)が始まり、そこから先は、(その思考活動が生む)口から出た音を聞いています。


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【本などの黙読で思考が詰まる、窮屈になる】

一定年齢までは何も問題がなかった黙読が、吃音の改善努力を始めてから、誤った改善努力により、おかしくなったケースについてです。

● 考える主体である自分が、(その思考活動の産物である)思考が意識に浮かび上がる瞬間(頭の中の声が誕生する瞬間)に注目すると、(頭の中の声で)考えることができなくなります。

● 頭の中に現れるはずの声に注意を向け、その声を意識して作り出そうとすると、思考(頭の中の声)の難発状態と、それに伴う(自分の体よりも狭い穴を無理に抜けようとするような、なんとも言えない)窮屈感(違和感)が頭の中に発生します。

黙読の最中、これがたびたび頭の中に生じると、普段から本などの活字を読むときに、書かれている文章も内容も満足に読めなくなります。(不思議なことに、スポーツ記事など、書かれている内容に強い興味があるものは比較的読みやすかったりします)

この場合、他人の声を使って黙読するというその場しのぎの対処法もあるかもしれませんが(同時に使える注意資源には限りがあるので、他人の声を思い浮かべながらその声で読むことに注意資源が使われると、黙読するということに関しては、思考が生まれる瞬間への注目や思考[頭の中の声/言葉]の直接的なコントロール[生成]の試みといったことに使えるだけの注意資源がもう残っていない可能性が高いです)、本質的な部分を改善するには、上の方で紹介した「認知行動療法を用いたグループ訓練」の「考えながら話す」の箇所にある、以下の部分を参考に、書き物を黙読するときの注意の向き(注意の使い方、関心の中身)を、少しずつ時間をかけて、回復するのがいいかもしれません。「音読」の部分は「黙読」に読み替えてください。

>ここでは「1回で内容が頭の中にしっかり入る」くらいの速度で(つまり、かなりゆっくり)音読する練習を行う。音読しながら内容を深くとらえ、視覚的なイメージも想像し、自分の意見や考えなども浮かべながら音読する。

注意資源:ものごとを考えたり、何かに注意を向けたり、読んだり、話したりといった注意(心の活動)に関わるものには、注意資源(認知資源)と呼ばれるものが使われます。注意資源とは、注意や思考、判断といった脳の活動に使われるエネルギーのことです。

注意資源は、人それぞれ使える容量が決まっていて、同時平行作業で満足に出来る、注意を必要とする活動の数も、注意資源の容量の大きさによって決まってきます。一つ二つのことに大きな注意が使われると、他の活動に使えるだけの注意資源が残らなくなるケースが出てくるということです。

※ 黙読が頭の中での(意識して行う)「音読」になってはいけないように、考え事で思考(頭の中の声)が詰まることがある場合、思考も頭の中での(意識して行う)「発話」になってはいけません。


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下は、昔書いていたホームページの画像です。Google Chromeで手元のhtmlファイルを読み込み、キャプチャーしたものから、図と図の説明部分を抜き出したものです。口にしようとしている音(口から出るはずの音)に意識が固定(注意が集中)した状態で、どうして声に出して考えることができず、言葉を口にできないのか、について、ご参考になるかもしれません。画像のハイパーリンクアドレスはimgurのpngファイルです。

図1
2

図の1行目の「発声意思をともなう思考」は、このブログの「言葉になる思考」にあたります。(A)(B)(C)の3行図は2000年1月から2004年まで使っていました。


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最後に、

1.(言葉になる)思考が展開するから
2. 肉体が反応し(発話運動が始まり)
3. 口から言葉が出てきて
4. それを耳にしている

1(思考)も3(言葉)も、思考(考え)を生み出している思考活動の産物であり、
それぞれをターゲットに、それぞれを、直接コントロールすることはできません。
思考活動も直接的なコントロール(制御)は無理です。

言葉が生まれる瞬間に注目すると思考と体がつまり、
思考が生まれる瞬間に注目すると思考がつまります。
言葉を直接コントロールしようとすると思考と体がつまり、
思考を直接コントロールしようとすると思考がつまります。